プレオネ (28 Tau, HD 23862)

プレアデス星団のメンバーで、5等級、B8Vpeのスペクトル型の星です。35年周期のガス放出活動をこの70年間繰り返しています。約120年ほどの観測歴を持つ星です。

2005年11月に新しいBe-shell活動期が始まりました。現在次の二つの報告がなされています。

(1)新しいBe-shell活動期を検出した事の最初の報告です: Katahira, J., Narusawa, S., Ozaki, S., Inoue, K., Kawabata, Y., Sadakane, K., & Hirata, R. 2007, Be Star Newsletter No. 38, 19 (原稿pdf)


(2)西はりま天文台MALLS分光器でのBe-shell活動期初期の観測報告です。2重円盤状態にあることなど議論されています: Tanaka, K., Sadakane, K., Narusawa, S., Naito, H.,  Kambe, E., Katahira, J., & Hirata, R. 2007, PASJ, 59, L1


 

美星天文台での観測を含めたプレオネ変動に関する報告

(1) Be型星プレオーネの分光観測について,井上和俊・川端哲也・片平順一・上原英明, 第6回天体スペクトル研究会集録, pp.52-56,西はりま天文台・天体スペクトル研究会実行委員会,2001 年

(2) Be型星Pleione のHα輝線変化,井上和俊・川端哲也・片平順一・上原英明・中山浩, 第7回天体スペクトル研究会集録, pp.39-41,第7 回天体スペクトル研究会実行委員会,2002 年

(3) 美星天文台でのBe星観測‐プレオネHα輝線の変動追跡,片平順一・井上和俊・川端哲也・上原英明・川端善仁・中山浩, 第8回天体スペクトル研究会集録, pp.76-79,第8回天体スペクトル研究会実行委員会,2003 年

(4) Be 型星プレオネの新円盤形成の始まり−なゆた望遠鏡での発見−、 第11 回天体スペクトル研究会集録, pp.8-11,第11 回天体スペクトル研究会実行委員会,2006 年、片平順一、鳴沢真也、尾崎忍夫、井上和俊、川端善仁、定金晃三、平田龍幸

(5) プレオネ星周円盤半径の長期変動(1938-2007)、片平、田中、井上、川端(善)、川端(哲)、中山、鳴沢、内藤、門、定金、平田、第13回天体スペクトル研究会(08.03) 、pp.87-96

(6)Ca II K line profile in the latest Be-epoch of Pleione, J. Katahira, K.Inoue, Y. Kawabata and T. Kawabata, Be Star Newsletter 40 (2012), 48

(7)プレオネ伴星のperiastron通過時のバルマー輝線変動、片平順一・前野将太(美星天文台)・本田敏志(兵庫県立大)・Stephane Charbonnel (Durtal Observatory)、第25回天体スペクトル研究会(2020.3) pp.28-31 COPY

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”美星天文台での観測を含めたプレオネ変動に関する報告(7)”で示していますが、伴星が円盤近くに来たときの、重力的影響を受けた現象の研究は今後の面白いテーマです。なお、この現象は下記BESSに貢献している観測グループが、集団的なHα輝線観測を通して最初に明らかにしたものです(例えば、https://konkoly.hu/pub/ibvs/6101/6199.pdf, https://konkoly.hu/pub/ibvs/6201/6239.pdf)。

しかしまだ詳細は明らかにされていません。そこで興味ある方の参考になることを願い、BESS公開の28Tau観測スペクトル(Hα領域)を、連続光強度で仮に規格化したスペクトルファイルのリストページ作 りました。個人的な仮の処理作業レベルですが、fits & txt形式ファイルがダウンロード可です。 ここ


あわせて次のHPで、BESSデータベースでのプレオネHαプロフィール変動状況を確認ください。
http://arasbeam.free.fr/spip.php?page=beam_belist2&lang=en

 

                                 

 

プレオネスペクトルのWeb公開データ

中・高分散スペクトル

BESS(Be Star Spectral database)     http://basebe.obspm.fr/basebe  
アマチュア天文家観測の2001年からのHαデータ。またIUE紫外スペクトルなども取り込んでいる。
これらのスペクトル群から、伴星が主星に接近した時の視線速度・V/R比の変動をデータ化し発表している。その測定値をダウンロード可。28 Tau: http://www.konkoly.hu/cgi-bin/IBVS?6199

ELODIE http://atlas.obs-hp.fr/elodie/ 2000.1-2003.1観測、波長域は4000-6800A

大阪教育大学 http://galaxy.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/atlas/STORY/top/top.htm  2001.11.10観測、波長域は3941-5100A, 6182-6764A

低分散スペクトル

Fujii Observatory http://otobs.sakura.ne.jp/FBO/index.html  2010.9-2016.10の観測、波長域は3700-9500A

論文

Nemravova et al. 2010, Properties and nature of Be stars. 27. Orbital and recent long-term variations of the Pleiades Be star Pleione = BU Tauri  A&A...516A..80N  論文で軌道運動解析に用いられたHα視線速度データをダウンロード可

 

                               

 

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